地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。
北陸地方会
福井県 福井東部地区会
勝山沢郵便局 片岸睦晴局長
地域に信頼される存在として、重要な役割を果たす郵便局。そのけん引役を担うのが、郵便局長です。
郵便局長は、少しでも早く地域に溶け込むために、様々な工夫や努力をしています。現在、勝山沢郵便局に勤める片岸睦晴局長もその一人。持ち前の粘り強さを活かし、地元の人たちとよりよい関係を築くために取り組んできました。
片岸局長は勝山沢郵便局の前は、隣市にある阪谷郵便局の局長でした。以前から「人が地域をつくる」という思いを持ち、住まいのある町でもいろいろな地域活動に参加していた片岸局長は、阪谷の町でも何かの役に立ちたいと考えました。それには町の人たちに自分の存在を知ってもらうことが大切です。
そこで、まず始めたのが全戸訪問。あいさつ文を手渡しながら地域の方々から話を聞き、町の状況を確認しました。その後も折を見ながら全戸訪問を続け、地域の方との距離を縮めることに努めました。町の情報は、公民館からのお便りでくまなくチェック。イベントがあれば現場に赴き、主催者のみなさんと積極的に交流しました。さらに郵便局周辺のご家庭にも挨拶に伺うなど、地域の一員としてできることを探し続けました。
そうした活動が実を結んだのは、赴任から3年が過ぎた頃です。町内の方から、「雪まつりの準備を手伝ってほしい」と声がかかったのです。この雪まつりは地元の人たちの交流を深める目的で、当時、営業を休止していたスキー場を活用し、雪の滑り台やそり遊び、餅つきなどが行われていましたが、その規模の拡大が検討されていました。
地域のイベントに関われるきっかけができ、片岸局長は「コツコツと関係を築き続けてきた甲斐があった」と嬉しい気持ちでいっぱいだったといいます。
当日は、阪谷で獲れた野菜や特産品の販売を手伝い、地元の人たちと一緒にブースに立つだけでなく、商品を並べたり目立つようにポップを書くなど精力的に活動しました。他の地域からの来場者も加わり、数千人が訪れる盛況ぶりでした。
雪まつりをきっかけに阪谷の人たちとの距離も近くなり、郵便局を訪れるお客様にもより声をかけやすくなったという片岸局長。地元の人たちとの、つながりの輪が広がったと実感していた矢先、勝山沢郵便局への異動の知らせを受け取りました。
しかし阪谷郵便局での経験は、場所が変わっても活きていると言います。
勝山市では、「勝山左義長まつり」という町ぐるみのイベントが毎年2月に行われています。前回の勝山左義長まつりでは、短冊づくりのワークショップの運営を手伝い、そこでつくられたカラフルな短冊は町中を彩り、祭りに華を添えました。まつりの実行委員は当番制ですが、実行委員になった際は「もっと頑張りたい」と今から張り切っています。
じっくりと、しかし確実に……。片岸局長の地道な取り組みが、地域に溶け込み、貢献する郵便局を築いています。