地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。
四国地方会
愛媛県南予地区会
宇和海郵便局 清家裕二局長
私の15年間の局長人生で感じた地方創生における郵便局長の役割は、「サーバントリーダー」です。サーバントリーダーとは、「まず相手に奉仕し、その後相手を導くリーダー」です。これからは地域の先頭に立って、「地方創生」を行う必要があると感じました。
地方創生の取組み」のサイクル「聞く」「繋げる」「描く」「動く」「動き出す」において、一番の勝負処は、「動く」から「動き出す」へ人々を誘導することです。これを可能にする武器は、マーケティング理論における技術力・企画力「シーズ」(※)です。
これまでも公民館と共同で「地域活性化の集い」を開催し、「シーズ」を意識し、地域の会議における「プロのファシリテーターの招聘」や「見える化」、活動に求心力や継続力を持たせるための「パブリシティーの活用」などを実践してきました。
このような活動は、地域の皆さんに「やる気」や「夢」を創ることにつながったと考えています。「夢」は、人を引き寄せます。5年間で10%以上(対区内人口比)の移住者がその証明です。
※シーズ:
事業化や製品化の可能性のある技術やノウハウを指す。シーズ(種)の状態では、顧客に提供できないので、具体的に顧客ニーズに定業する製品等として提供できる形にすることが重要とされている。
宇和海郵便局のある蒋淵(こもぶち)は、宇和海に突き出た半島にあり、宇和島駅から陸路なら1時間、船なら30分足らずで到着するところにあります。湾の外は潮の流れが早く、絶好の漁場となっており、国内でも有数の漁獲地、真珠の養殖地として知られています。
しかし、ご多分に漏れず、高齢化は深刻な問題です。そこで、まずは蒋淵に興味をもっていただき、観光滞在人口を増やすことから始めました。平成16年に「こもねっと(http://www.komo-net.com)を立ち上げ、蒋淵の魅力を全国に発信しました。私もメンバーの一員として活動しています。
また、こもねっとの拠点である「こもてらす」はカフェと加工棟を有し、カフェは海水浴や釣り客の食事処や休憩所としてご利用いただいており、加工棟でつくった商品はこもねっとを通じて全国に販売しています。これらの活動によって、地元の方の雇用にも一役買っています。
さらに、愛媛大学の協力で毎年15名前後の学生に蒋淵で様々な社会体験をしてもらう企画も行っています。住民の方、参加の学生さん双方に良い影響を与えているようです。
これからも地域の皆さんと「夢」を語り、一緒に実現していきたいと思います。
活動拠点“こもてらす”
全国でも珍しい郵便船で集配を担当
蒋淵のランドマーク、宇和海郵便局