郵便局の地方創生

地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。

結を繋ぐ島 佐渡

信越地方会
新潟県佐渡地区会
小木宿根木(おぎしゅくねぎ)局長  渡辺明則(わたなべあきのり)


佐渡に息づく「結」の伝統を継承!

  • 佐渡市と市内の郵便局は「包括連携協定」を締結し、郵便局全局が認知症サポーター事業所に
  • 市と地方創生について、取組みをスタート
    ・おみやげ品郵送のため佐渡をPRする「オリジナル箱」の製作
    ・東京や関東エリアの郵便局内のイベントスペースを「佐渡のアンテナショップ化」
    ・JAとの連携の進化

新潟県佐渡市は、2004年3月に10市町村が合併し、佐渡ケ島全てが佐渡市となりました。離島としては沖縄本島に次ぐ大きな面積を誇りますが、人口減少は深刻な問題となっています。2015年には高齢化率が40%を超え、わが故郷の存続、そして更なる発展に大きな危機感を持ちました。

そのような状況の下で、郵便局として何ができるのかを考え、まずは2013年9月5日に佐渡市と「包括連携協定」を締結し、郵便局全局が認知症サポーター事業所になるなど、様々な取組みを行ってまいりました。

その後も、佐渡市と郵便局で、セカンドライフ永住者招致、高齢者活躍支援、その波及効果による雇用創出、介護ビジネスへの進出等、「古き良き日本がそこにある。生涯安心して暮らせる島 佐渡」構想を策定し、地方創生について議論を積み重ねてまいりました。しかし、両者の構想にギャップがあり、協議が難航しました。

そこで、まず私たち郵便局から働きかけを行いました。その中で生まれた発想が、佐渡に息づく「結」(※)の伝統を実践することでした。島内各地域、組織、事業所等を郵便局が繋ぎ、それを全国に繋いでいくという発想で、地域の方々からより多くの要望・意見を集め、できることから一歩一歩進んでいくことにしました。

具体的な取組みとしては、ホテルや旅館の女将会から要望があった、おみやげ品を郵送するための「佐渡ヶ島発オリジナル箱」の企画・製作、それに加え、地元の中小事業所等と連携し東京・関東エリアの郵便局内のイベントスペースでの「佐渡のアンテナショップ化」に向けて取り組みました。そして今年、東京で物産展を実現しました。オリジナルの箱はふるさと納税返礼品にも使われるなど、4か月で2000箱が全国に発送されました。また、ご高齢の農業生産者の多い地域で集積所までの農産物の運搬を郵便局が担うシステムの構築など、「JAとの連携の進化」にも取り組みました。

私たちの構想を実現するには何年かかるか分かりませんが、まずは「地方創生」への意識を強く持ち、それを多くの人々に繋ぎ、そして広げていくことが真の「地方創生」のスタートになるのではないかと考えています。10年後、20年後の島民の皆さまの笑顔を想像して、「結」を繋ぎ、愛する佐渡を守っていきたいと思います。

※結:隣近所が助け合って、協力し合う共同作業の制度

佐渡ケ島発 オリジナル箱

ふるさと納税返礼品の箱を企画・デザイン