郵便局の地方創生

地域に根ざす郵便局が行なっている様々なサービスや取り組みをご紹介します。

買い物弱者の方たちのためにお店を開設!

秋田県
内川郵便局 渡邊律雄局長


内川郵便局のある秋田県南秋田郡五城目町の浅見内地区は、人口約250人、100世帯、高齢化率59.6%と、「限界集落」に近づきつつある地域です。地域にはもともと6軒のお店がありましたが、時代の流れとともに人口流出が続き、お店も徐々に減っていきました。一人暮らしの方や老夫婦の世帯が多いため、日常の生活にも支障をきたしてくるようになりました。また、平成25年には追い打ちをかけるように路線バスも廃止となり、高齢者にとっては大変住みにくい地域となってしまいました。

私は平成26年に町内会の会長に就任しましたが、同時に地区の活性化委員会の会長も兼ねることになりました。この委員会では住民の方々の協力で、多くの活力がつくりだされ、高齢者のための交流行事の開催、買い物バスの運行、雪かき支援などを行っています。

平成27年に県・町から「お互いさまスーパー創設事業」に応募してみないかとのお誘いを受け、下調べのため宮城県まで出かけ事業内容を確認しました。そして地区住民の方々と意見交換を行い、さらに地区全世帯を対象とした意向調査を行い、10月の町内会臨時総会で「みせっこあさみない」の創設を決定しました。秋田県下で実施する「お互いさまスーパー創設事業(三ヶ所)」のうちの一つに選ばれることになったのです。

それからが大変でした。この事業化は800万円の予算内ですべてを作り上げなければなりませんでしたし、開店(商品の仕入れ)資金は自分たちで調達しなければなりません。また、仕入れ先も探さなければいけません。悩みながら、地区住民の方々に一口2,000円の寄付をお願いしました。皆さん快く出資していただきましたし、遠くは関東方面からもこの取組みに賛同した当地区出身の方から出資の申し込みもありました。そして、仕入れ先も地域のためにならと地元のスーパーにご快諾いただくことができ、「みせっこあさみない」は、平成28年3月30日、オープンにこぎつけることができました。

待ちに待ったオープン!

交流の場を備えた「みせっこあさみない」は、今、地区には無くてはならない場所となっています。飲食も提供しており、カレーライス・天ぷらうどん350円、コーヒー130円とリーズナブルな値段で、店員は16名からなる60~70歳の方々に輪番制のボランティアとして参加いただいています。ありがたいことです。また、秋田県中部地区の郵便局長たちも、活性化委員会で作っている花壇の整備など様々な支援の手を差し伸べてくれます。

これからも引き続き「地域に元気を」の、この取り組みを続けていきたいと思います。
(※渡邊局長は3月31日で退職しました)

「みせっこあさみない」では、交流イベントも開催。
新鮮な海の幸・山の幸が並ぶ

一周年の記念感謝祭。みんなの笑顔が一番の収穫