全特 2017年1月冬号
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 琉球王朝伝統の銘菓「橘きっ餅ぱん」は、三〇〇年ほど前に中国の福州から沖縄に伝えられたといわれています。当時、橘餅は献上物や冊さっ封ぽう使しが来島した際の饗応料理、御う冠かん船しん料理の献立の一つでもありました。一般の人も口にできるようになったのは明治以降のことです。 橘餅は、県産カーブチー等の香りのよい柑橘類を主原料とした銘菓で、みかんの皮をむく作業から、橘餅が完成するまでに丸五日を要します。熟練した職人が一つひとつ確かめながら作っているそうです。 たいへん手間ひまがかかるお菓子であるため、現在では謝花きっぱん店さんのみで製造・販売されています。903-0804沖縄県首しゅ里り局長伊い志し嶺みね 豊とよ和かず橘きっ餅ぱんは、各地で個性豊かな豊年祭が行われています。黒島では、祭の起源は、琉球時代にまで遡るといわれます。その昔琉球政府の命令により、農作物の増産督励を目的として作付面積を競う原勝負が行われていました。ところが、ある年引き分けとなり、広場での綱引きでも決着がつかず、果ては舟漕ぎにまで勝負が持ち越され、ようやく勝負がついたそうです。ところがその年は、かつてない豊年満作となり、それ以来黒島では、豊年は海の彼方からもたらされるものだと信じ、豊年祭を海上において行われるようになったとのことです。現在は形や方法も時代とともに変化してきていますが、毎年継続して行われています。地域の祭り等は、全員がスタッフで、一人一役で行われます。私は、奉納舞踊の地ジ方カタや豊年祭の唄の担当で、当日までに何回も練習等をして本番に臨みます。 二〇一五年十月、黒島の郵便切手発売を記念して、海亀の放流イベントを行いました。黒島には、主に海亀を研究している黒島研究所があり、研究所の協力のもと、衛星追跡調査の発信器を付けた海亀を送り出しました。 このようにして地域のために自分のできることに関わり、地域との絆を深めるように努めております。そのことがひいては、郵便局の存在価値にも繋がっています。これからも地域に根ざした郵便局づくりに全力で取組み、後輩育成に努めてまいります。海亀の放流イベント。海亀の背に発信器が取り付けられている。なかなか海に帰ってくれず、皆で応援局長は地方や唄の担当(三線の左端)祭は島が一つになって盛り上がる15

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