全特 2017年2月特別号
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行委員会」を立ち上げたのが最初です。昭和初期に八幡湿原で、「日本植物学の父」と称される牧野富太郎博士が満開のカキツバタを見て感動し、俳句を詠んだという逸話があるほど、一面に自生していました。しかし時代が移り、河川工事や田畑の開発が行われ、現代に至っては、休耕田となりその面影がなくなっていたのです。 実行委員会では、博士の見たカキツバタの群生地の再現を目指して苗代や維持管理費を賄うため、オーナーを広く募集。同時に苗植え、草刈り、植え替え等にご協力いただけるボランティアも募りました。木道も整備し、トレッキングに適した環境を整えるなど、地道にコツコツと作業を続けました。私は事務局長として、カキツバタ情報や地域の魅力を掲載した広報紙を折々にお送りしたり、切り花を生け花用に全国発送したりしています。今や五月中旬から六月上旬まで、二十万本のカキツバタが咲き誇り、広島の名所として根づいています。 この「カキツバタの里」を地域の皆さんとつくり上げたことが、「赤そばの里」づくりに活かされました。花を愛する方々に知名度があったのも、赤そばの里の浸透に一役買いました。 今後の展開として、赤ソバを使った地域の特産品を開発し、地域の雇用を増やしていくことも考えています。将来はIターン、Uターンの若い世代に、豊かな地域を託していかなければならないと思います。挽いたソバ粉で手打ち体験ソバの石臼挽き体験。結構な重労働ソバの種植から収穫まで。ルビー色の花が咲く時期には全国から観光客が訪れる。17

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