ZENTOKU 2017年9月特別号
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 地元でも名所・旧跡があって、この名所・旧跡めぐりのハイキングコースをつくって、郵便局の局長や社員がお手伝いし、ご案内する。あわせてそこに地場産業の食品を試食していただいたり、展示即売したりしませんかと市長さんに提案して、これからそういう方向で一緒にやろうという話をいただいています。司会 続きまして山本副会長、お願いします。山本副会長 「交流」「情報」「継続」がキーワードではないかと、この三つをきちんと郵便局のネットワーク、郵便局で働くすべての人たちと共有をしていけば、施策というのは必ず花が開くのではないかと考えています。 市長さんと話をしたときに不法投棄、道路損壊の協定の見直しをしました。当初は郵便局の配達の担当者だけを対象としていましたが、よくよく考えると、窓口で働く社員も通勤途上とか、帰宅途上でそれらを目にするわけで、金沢市内のすべての郵便局と協定を結び直しました。その時、市長さんは「この協定によって、郵便局の方に負荷がかかると大変申しわけない」ということで、発見したらすぐに状況をファックスで送り、あとは全部、市で対応するからとお話がありました。地方創生に対する悩みは、会員に負荷がかからないようにどうやっていくかということです。司会 続きまして、米澤副社長お願いします。米澤上級副社長 このテーマについては、会社は環境づくりをするということに尽きると思います。具体的な話を東京目線でやっても、うまくいくとは思えない。まさに地元にいらっしゃる皆さま方の知恵が大事だということです。 私が一つだけ申し上げられるのは、うまくいった例もある一方で、うまくいかなかったところもあるわけです。「何が悩みですか」と首長さんに聞きますと、「人がいない」。「どういう人ですか」と聞くと、地域創生などの核になるような人がいないと。「行政だけだと片手で、もう片方の手でぱちんと合わせると音がいいけれども、片方の手だけではなかなかいい音が出ない」ということをおっしゃっていたのを思い出しました。郵便局長がまさにその片方の手になれば、地域創生はまだまだいろいろなことができるのではないでしょうか。司会 ありがとうございます。それでは首長さんにお伺いしたいと思います。観光振興における需要の拡大と郵便局との今後の連携について、まず関口市長からコメントをお願いします。関口市長 我々のいろいろなお願いのなかで一つ浮かんだことがありまして、それは公共交通です。十日町市は集落が広く点在していますから、公共交通に対する大きな悩みがあります。郵便局は配達、物の移動はお手のものということで、何かご協力いただければと感じました。 それと交流事業の拡大等に関しては、過疎先進地であり、ぜひやり続けたい。我々は応援団をつくって、その人たちから情報を発信することを非常に大事にとらえています。十日町市の出身者、大地の芸術祭の取組みなどに賛同していただける皆さん、市民ではない皆さんからの応援を活かすことを大事にしていて、これは大いに効果のあるやり方です。郵便局はそれぞれの地域の応援団として素晴らしい人材ネットワークをお持ちですので、ご協力させていただくなかで力をお借りできれば、ずいぶん成果が上がるのではないでしょうか。司会 続きまして、林市長お願いします。林市長 地域を元気にする地方創生の観点からお話させていただきます。観光協会長を二十代の半ばから十五年ぐらいやりまして、本当に大変だなと思っている問題がいくつかあります。 たとえば、今、グローバルITパークというものや、サテライトオフィスということで、両方ともIT企業を呼び込みたいと進めています。このなかで非常に大きな問題が、外国の企業が日本の国内に来ようとしたときに高いハードルがあることです。小さい自治体ですが、こういった気づきがあり、同じように悩んでいる自治体はたくさんあるはずです。 また、医療では地域医療体制を整えていますが、観光を視野に入れるのであれば、医療滞在型の観光というのもあります。医療の国際化の流れのなかで、特区といった位置づけも必要になってくるのではないかという声があります。 観光では、姉妹都市のオーストリアの山岳リゾートとして頑張っている町、セルデンの皆さんにお越しいただいて、山岳リゾートシンポジウムを開催しました。そのなかで観光庁はつくったけれども、魂が入っていないという声がありました。一番の課題は国の目的税、特定財源でいわゆるベッド税、宿泊税です。セルデンが観光でなぜあれだけ持続的に発展しているかというと、根底にあるのはベッド税です。そこに手をつけずに、観光、インバウンドといっても旗振りのまま、本当に魂が入らないような気がしています。これらが大きな動きになっていったらよいと思っています。司会 ありがとうございます。それでは青木会長からお話をいただきたいと思います。青木会長 私ども局長会も二〇一六年から地方創生ということを全国十二のエリアで本格的に開始しました。二〇一七年はさらにいろいろなことを実現していきたい。本日は三首長さんにお越しいただきましたが、まずはそれぞれに個性がある地方公共団体と打合せをして、地方公共団体のオーダーをしっかり聞き取る。そのオーダーのなかで、まずはエリアでできること、連絡会でできること、支社でできること、あるいは本社とできること、本社のなかでも特区として指定しないとできないことなどを整理して取り組んでいくということが重要です。 そのなかに人口問題、観光問題、医療問題、住民サービスの問題など課題がたくさん出てくるでしょう。そういうことにしっかり対応していくことが大事です。私ども局長会は、役場の支所については郵便局でしっかり受け皿に18

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