ZENTOKU 2017年9月特別号
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は、上空に上がって回転をする演技をします。このトレーニングにどうしても必要な施設だったのです。 もう一方、この九月にオープン予定なのが、市内の運動施設を改造したスケートボード場です。二〇二〇年のオリンピックではこれが正式種目になります。 これらの施設は、一見ばらばらに見えるかもしれません。ですが、「フリースタイル」というもので括ることができます。新潟はアルペンスキーは長野に敵わず、ジャンプ競技は北海道に敵いません。そこで、南魚沼ではフリースタイルというものに特化し、このジャンルではアジア、世界に向け、日本国内トップレベルの聖地をつくりあげることを目標を掲げています。豪雪を逆手にとる 南魚沼地域には冬、雪が降ります。湿雪、大変重い雪です。雪によってスキーで潤う面もありますが、生活するには邪魔者扱いで、また雪害もあります。 この不便さを逆にアピールしたいという思いで、二〇一八年に南魚沼地域で雪室サミットを計画しています。雪室とは雪を使った貯蔵施設で、空冷もできます。そういう建物が市内にもたくさんでき、そこにお酒、お米なども貯蔵しています。 こうした雪室の全国サミットの狙いとしては、二〇二〇年に東京で開催される真夏のオリンピックの際に、ミスト室に代わる雪室空冷をアピールしたいという思いがあります。新しいエネルギーへの脱皮という発想もでき、地元の酒や冷えたものも提供できる、インバウンドを含めて新しい切り口で取り組んでいます。 また、雪のときに、雪の中を歩かなくてもよい雁木通りというのがあります。これらが整備され、南魚沼市内の塩沢宿には全国からたくさんの観光客が見学に訪れています。 しかし、今は本当の雁木でなく、生活優先型になっています。本来の雁木のなかは真っ暗闇です。これを残すことこそがいいのではないかと提案をしたら、最初のうちは大反対されました。生活が大変になるというのです。しかし、特定の区画でいいので、それを残そう、そして、そこに行燈を昼間から入れようと提案しました。その雁木には昔の装束であった角襟を巻いた人が着物姿で歩く。ここは織物が有名なのです。行燈に照らされ、料理屋さんが開業している。これらを見たインバウンドの外国人は、おそらく「ワンダフル」と言うでしょう。 さらに、冬に川下りができないか検討しています。我々も見たことのないモノクロームの世界です。南魚沼市にトミオカホワイト美術館という施設があり、冨岡惣一郎さんという画家の白と黒の世界が広がっていますが、冬の川下りではその白と黒の情景がそのまま伝わるのではないかとも考えています。 以上のような取組みを行っていますが、皆様から忌憚のないご意見、ご指導をいただければ大変ありがたいと思っております。 五日町郵便局の区域には、数ある新潟県の名酒の中でも、有名な八海山の本社があります。美酒であるだけでなく、消費者へのPR等も見倣うべきところが大いにあると思います。 地方創生には、まず観光でお客さまをひきつけ、地域との交流を活発にすることから始まりますが、最近はスキー客も、スポーツの多様化も一因となって減少しています。どこにでもあるような施設では、魅力も半減します。 幸い、新潟には全国に誇れる名産品がたくさんあります。ふるさと納税の推進など、行うべき方策はまだまだあるでしょう。しかし、地域内で業種を越えてチームを組んで行かなければ、なかなか多難な道のりであると思います。949-7199新潟県五いつ日か町まち局長水みず沢さわ 稔みのる地域に広がるネットワークを風景印の図案は局長によるもの火焔型土器のフォルムカード火焔型土器のフォルムカード09

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