ZENTOKU 2018年春号
19/20

北海道釧路市長 蝦えび名な 大ひろ也やさん第4回のリーダーインタビューは、ひがし北海道の拠点都市であり、「域内連関」をキーワードに、市民と一体となったまちづくりを進める釧路市長にお話を伺いました。──釧路市は、環境省から国立公園満喫プロジェクト、観光庁から観光立国ショーケースの指定を受け、観光を中心としたまちづくりを展開し、広く注目を集めています。ホットな話題をお聞かせください。 二〇一七年は、観光立国ショーケースの訪日外国人受入のモデル都市としての環境整備やPRを展開するとともに、「阿寒国立公園」の「阿寒摩周国立公園」への名称変更を行うほか、釧路湿原の国立公園指定三十周年や釧路・韓国間の国際チャーター便の就航などがあった中で、二〇一七年度上半期の観光客数が過去最高を記録しました。 これらの追い風が吹く中、さらに今年八月からは、LCCのピーチ・アビエーションが釧路︱関西線を就航することが決定しています。訪日外国人観光客の拠点である関西空港と釧路空港が繋がることによる効果はもちろんのこと、同社の主力客層が二十代や三十代の女性であることから、新たな客層の掘り起こしという面でも大きな効果を期待しています。 観光面以外でも、二月三日には新図書館が都心部に移転オープンしました。また、東北・北海道地区では初となる中小企業などの支援拠点「釧路市ビジネスサポートセンター」は、八月の開設に向けて準備を進めています。これらの取組により地域経済のプラス成長と雇用の創出に繋げていきたいと考えています。──“涼しいくしろで避暑生活”、“世界三大夕日”など、ユニークな取組みが市民参加型で展開されているとお聞きしています。釧路市の自治体と市民が一体となったまちづくりの魅力をお聞かせください。  “涼しいくしろで避暑生活”は、夏の「寒さ」を「涼しさ」に換え、市民と協働して避暑地としてのPRを続け、釧路市の体験移住者数は六年連続で全道トップになりました。この他でも、クルーズ船のおもてなしや町内会による清掃活動・避難訓練など、さまざまなイベントにおいて多くの市民の皆さんにかかわってい1959年1月4日釧路市生まれ59歳釧路市議会議員(93年~2期)、北海道議会議員(99年~3期)を経て、2008年から現職(3期目)。2012年からは郵政事業有識者懇談会(北海道エリア)委員を務める。財政再建や人口減少社会への対応など、課題と向き合いながら常に先を見据えた政策を展開。信条は“初心忘るべからず”職員には、「10戦3勝でもいい。常にチャレンジを!」と言い続けている。リーダーインタビューただいており、市民一人ひとりが主役となるまちづくりを進め、地域のつながりを強めていくことが、釧路の魅力や価値をさらに高めていくことになると考えています。 釧路市では、今後十年間の新たな市独自のまちづくり指針として「釧路市まちづくり基本構想」を策定しました。構想のキーワードの一つに「域内連関」があります。これは、これまで本市が都市経営の視点に基づき進めてきた「域内循環」の「テーマを共有し行動する考え方」を、経済活動にとどまらず地域社会全体に拡大し、それぞれの地域資源を生かしながら、付加価値の創造や地域課題の解決に向けて行動する考え方です。「域内連関」に取り組むことにより、地域のつながりや信頼関係は一層強まり、観光産業や地域コミュニティ、防災、福祉など様々な分野に大きな力を発揮することになると考えています。──釧路市も市民の高齢化が課題だとお聞きしています。郵便局でも地域住民を守るため「みまもりサービス」をスタートさせて、それぞれの地域でご高齢の方々と向き合っています。今後のまちづくりの中でどのようなことを郵便局に期待していますか? 二〇一七年三月に、釧路東郵便局、釧路中央郵便局をはじめとした市内の郵便局と釧路市は「地域における協力に関する協定」を締結し、地域見守り活動への協力や、道路損傷・不法投棄に関する情報を提供していただいています。特に、郵便局の方が業務の中で高齢者などの異変に気付いたときに市に連絡してもらう「釧路市地域安心ネットワーク事業」においては、高齢者の地域全体での見守りの一役を担っていただいています。さらに今年の一月には、災害、移住・定住、経済活性化、子どもの育成といった分野にも範囲を広げ包括的な協定を結んだところであり、今後も郵便局の特性を生かした活動を広げていただきたいと思っています。4世界三大夕日と称される美しい風景は、釧路川河口付近が絶景スポット19

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る