ZENTOKU 2018年夏号
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マネジメント力を活かし、地域の宝を全国に発信ケーススタディ  地方創生❺〜伝統と新しい力を融合し地方創生へ〜798–0299愛媛県 宇う和わ海うみ郵便局長清せい家け 裕ゆう二じ 宇和海郵便局のある蒋こも渕ぶちは、宇和海に突き出た三浦半島にあります。宇和島駅からは、陸路で約一時間の距離。船なら30分足らずで到着します。 ──この距離感を聞けば、郵便局周辺の環境はご推察いただけるのではないかと思います。 宇和海郵便局は、私で五代目です。明治三十四(一九〇一)年に開局し曾祖父が郵便局長に就任しました。リアス式海岸の地形のため、湾内は比較的穏やかでありながら、湾の外は潮の流れが早く、絶好の漁場を背景に栄えてきました。現在れます。 しかし高齢化の問題は、ご多分に漏れず深刻です。「地方創生」、この地域ではとてつもない大きな目標のように思えました。まず地域の文化や特産品を見直すことから始め、郵便局がどう関われるかに心をくだきました。 結論は、蒋渕に興味を持っていただき、観光滞在人口を増やすことから始めなければならないと思いました。今はインターネットで、全国へ情報発信はできても、その情報を見て「行ってみたい」「滞在し宇和海郵便局の100周年記念誌。⬆ 今では全国でも珍しくなった郵便船。宇和海郵便局は二つの島(港は3ヶ所)の集配を担当している。⬆ 旧郵便局の老朽化に伴い、建て替えの際、少し移動したという宇和海郵便局。蒋渕港のランドマーク。⬆ 海から2mの加工棟。一夜干しは、地元の海藻を加工した藻塩を使用し、冷温熟成製法で仕上げるなど、こだわりの逸品。冬から春にかけて、みかんブリ(餌にみかんの搾りかすを混ぜることで魚の臭みが抑えられる)も商品にラインナップされる。⬇ カフェの内部には、銀河鉄道999の絵が架かり、主人公鉄郎の帽子を象ったペンダントライトがぶら下がる。は、日本でも有数の魚と真珠の養殖で知られています。配達エリアの戸島地区の年末の養殖ブリの出荷は、はしけがたわむほどの取扱いがあり、毎年発送に追わ06

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