ZENTOKU 2018年秋号
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高知県土佐郡大川村村長 和わ田だ 知かず士ひとさん「離島を除いて日本で最も人口が少ない村*」大川村は高知県の北部、四国山地にあり、村の95%を森林が占めています。急速に進む過疎化に危機感を持ち、直接民主制である村総会の是非を提言するなど、行政からも過疎地域からも深い関心を寄せられている大川村村長にインタビューしました。──大川村の環境とこれまでの歩みについて、お聞かせください。  大川村は、四国の「へそ」、ほぼ中央に位置しています。四国山地の豊かな緑に囲まれ、村の東西を水量豊かな吉野川が流れています。 元禄時代から、土佐藩により鉱山開発が行われ、明治から昭和にかけて活況を呈していましたが、一九七二(昭和四十七)年に閉山となりました。昭和三十年代初期には四〇〇〇人を超えていた人口も、二〇〇五(平成十七)年、離島を除いて日本最小人口の村となりました。現在四〇〇人あまりです。──「村議会」を廃止して「村総会」の設置をすると、報道されました。村総会になれば、有権者全員で予算や条例を審議すること高知県生まれ。大川村役場に就職し、2011(平成23)年年より現職。職員時代、若者の定住化に奔走する前村長のもと、さまざまな施策を実施。平成25年に産業を中心として、400人の人口を守る振興計画を樹立。リーダーインタビューになります。全国的に地方の過疎化が急激に親展する中、地方自治のあり方を考える先行的な取組みになりますが。 村民総会の検討という、言葉が世の中に与えたインパクトは、大きかったようですが、村民の皆さん全員に危機感を持ってほしいと考え、発言したことです。人口減少に歯止めをかけるため、さまざまな施策を施行6巨大な水がめが湛える水は、主に香川県・徳島県に供給される。ダムの水量が減ると、4階建ての旧村役場が姿を現す。*福島第一原子力発電所事故の影響を受けている自治体を除く。大川村のパンフレット。キャラクターの「太刀きん君」は子どもたちにも大人気。18

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