ZENTOKU 2019年冬号
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地域貢献・地方創生活動拝見辨天太鼓を通じて、子どもたちと歩む地域貢献鶴岡市鼠ヶ関地区は人口約一、二〇〇人、四三〇世帯の半農半漁の地域です。新潟県との境に位置し県境が民家と民家の間を通っている珍しい地域です。鼠ヶ関漁港は底曳き網漁において山形県の約半分を水揚げし、春のサクラマス、夏のイカ、秋の鮭と河豚、冬の紅海老・ずわい蟹・寒鱈と漁で一年中賑わう漁港です。特に日本海屈指の鯛の好漁場があり、鯛は当郵便局の風景印のデザインにも採用されています。地域内には鼠ヶ関マリーナがあり、夏にはマリンレジャーを楽しむ人たちが集まってきます。近年では地域の灯台が日本ロマンチスト協会から「恋する灯台」の認定を受け、新しい観光資源となっています。私が地域との交流を深めるために行っているのは、念ね珠ずが関せき辨べん天てん太だい鼓こ創成会における活動です。この会は、平成四年の紅花国体での演奏を目的として、平成三年に「鼠ヶ関の新しい文化を創造し、その人材を養成し、次の999–7126山形県鼠ねずヶが関せき郵便局長佐さ藤とう 仁ひと志し世代へと継承していく」ことを目指して地域の有志により活動を開始しました。その後平成五年には鼠ヶ関小学校の生徒を中心に子ども会が発足し、大人のチーム・子どものチームを問わず、地域のイベント等には必ずお声をかけていただけるようになりました。地域以外でも高齢者福祉施設、障害者福祉施設への慰問や共同演奏、山形県や鶴岡市等からの依頼による演奏など年間五十回以上演奏活動を行っています。念珠関辨天太鼓創成会は、聞く人に元気を届けることを第一義としています。地域のイベントを盛り上げることはもちろん、ご高齢の皆様へ演奏するとき、障害者の皆様と一緒に演奏するとき等、太鼓の打ち手が元気いっぱいで楽しく演奏していなければ聞く人の心を打つ演奏はできないとの考えのもと、演奏山形県に臨んでいます。これまでもお年寄りの皆様が感動で涙するお姿や「本当に元気をもらった」と満面の笑みで握手を求められることもあり、太鼓打ち冥利に尽きると感じています。一打一打に心を込めて、満面の笑顔をたたえて全身全霊で演奏する。太鼓を通して元気と感動を与え続けられる。そんな辨天太鼓にしていきたいと思っています。さて、辨天太鼓子ども会への指導も発足当初から携わっており、子どもたちは「山形県で一番元気の良い」太鼓チームを目指して稽古を積んでいます。小学一年生から六年生までの年代で構成されており、海の出世魚にちなんで低学年の「あおこ」チーム、中学年の「いなだ」チーム、高学年の「ぶり」チームに分かれています。「ぶり」チームに成長する頃には大人以上の演奏を見せてくれます。二十五年を超えて活動する子ども会の卒業生の中には、地域で就職し家庭を持っているメンバーもいて、その成長した姿に喜びを優勝賞状を手に誇らし気な子どもたち08

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