ZENTOKU 2019年春号
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地域貢献・地方創生活動拝見山間地での「地域との繋がり」を大切に私の住む徳島県神山町は、徳島県東部の山間地で、豊かな自然に恵まれていますが、人口減少に悩める過疎地です。しかし、アドプトハイウェイ(町内の国道や県道を町民自らが清掃・管理すること)の発祥地であり、近年では整備された高速通信網を活かし、IT関連企業を誘致するサテライトオフィスの先進地でもあります。川又郵便局が所在する地区はその中でも最も奥地に位置しており、住民の超高齢化と人口の激減が進んでいます。 私が新任郵便局長として赴任したのは平成十八年九月。当時の日本郵政公社が民営化される一年前のことでした。住民の一番の771–3422徳島県川かわ又また郵便局長塩しお本もと 正まさ博ひろ徳島県新年の恒例行事の寒歩大会。約7㎞のコースを歩く。多少の雪でも決行。山あいの棚田に広がる菜の花畑。この景色を維持するのは、住民の協力と努力。話題は、「民営化されると、このまま郵便局がなくなるのではないか」ということでした。当時、不安に駆られたお客さまの貯金と年金受取の流出が続き、私自身も不安に駆られたことを今でも思い出します。あれから十二年が過ぎ、先に閉鎖されたのがもう一つの金融機関であったJA(農協)の支所でした。 このような状況変化が激しい中で私が最も力を入れて取り組んできたのが「地域との繋がりを持つ」ことでした。地方創生的な新しい取組みではありませんが、地域のために何ができるかを考えていくことで、この地区で郵便局を長く守ることができると思ったからです。 この地区で行われる行事には、時間の許す限り最優先で参加しました。地区の運営スタッフとして打合せ段階から参加し、準備、当日の受付、片付け等を行いました。行事の主なものとして、一月は「新春寒歩」、三月の「菜の花まつり」、五月の「上分花の隠れ里(つつじ)まつり」、地区の芸能大会、老人神山町●〶神通滝神山温泉ホテル四季の里いやしの湯川又郵便局438193193上勝町那賀町吉野川市12

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