ZENTOKU 2019年春号
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三〇〇〇㎡の無人島ですが、ウミネコの繁殖地として知られており、冬には約五〇〇〇羽ものウミネコが飛来。七月には島を飛び立っていきます。 日御碕灯台から徒歩一五分で松林の中に佇む朱色の社殿、日御碕神社に着きます。三重県の伊勢神宮が日本の昼を守り、日御碕神社は夜を守る神社とされています。神話に出てくる天照大神を下の宮「日ひしずみのみや沈宮」に、素す戔さの嗚おの尊みことを上の宮「神の宮」に祀り、両本社を総称して『日御碕神社』と呼びます。出雲国風土記*4に「美佐伎社」と、延喜式*5には「御崎社」の記述が見られます。現在の本殿は、徳川家光の命を受け、寛永二十一(一六四四)年に完成しました。桃山時代の面影を残す貴重な神社建築として知られ、蟇股などに施された彫刻は、地域の名産ブドウや椿の花も見られます。豊かに栄えていくためのご縁を結ぶ出雲大社  出雲大社の創建は神話の時代に遡ります。古代より杵きず築きの大おお社やしろと呼ばれていましたが、明治四(一八七一)年に出雲大社と改称され現在に至っています。 祀られているのは、国づくりの神様、大黒様として知られる大おおくにぬしのおおかみ国主大神。 縁結びの神様として知られていますが、男女の縁に限ったことではなく、生きとし生けるものが栄えていくために、縁を*3 旧暦神在月には、出雲の各神社で「神かみ迎むかえ祭さい」「神かみ在あり祭さい」そして、全国に神々をお見送りする「神か等ら去さ出で祭さい」が行われる。出雲大社境内の東十九社、西十九社は神々の宿泊所とされ、神在月には扉が全て開かれる。*4 出雲国に関する古代の地誌。地理、地名などの由来や伝承などが記されている。天平5(733)年に完成したと伝わる。*5 平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)で、三代格式の一つ。延長5(927)年に完成。康保4(967)年より施行されたとされる。出い雲ずも大おお社やしろ 「いずもたいしゃ」とも称される。旧暦10月(神無月)は、出雲大社に日本中の神様が集って会議を開くとされ*3、最重要の議題は「縁結び」。出雲地方では「神在月(神かみ有あり月づき)」と呼ばれ、特にこの時期は良縁を求めて参拝する人で賑わう。出雲大社の神事「古こ伝でん新しん嘗じょう祭さい」でも使用される清水、真名井の清水。この近くに、ご縁を結ぶ「ご縁ポスト」がある。願いを込めて手紙を投函すると、思いが届くかも。旧大社駅 和風駅舎の最高傑作とされている旧大社駅。JR大社線は、平成2(1990)年に廃止されたが、旧大社駅舎は平成16(2004)年国の重要文化財に指定された。D51も展示されており、鉄道ファンのみならず、観光客を集めている。丸型郵便ポストは、駅舎に合わせ設置されたもの。投函はできない。奥出雲そば処一いっ福ぷく 伊藤 剛ごうさん 出雲大社参道に数ある老舗そば店の一つ、一福で、出雲エリア統括マネージャーを務める。「割子そばが知られていますが、釜揚げそばもお試しください。茹で汁ごとおそばをお出ししますので、別添えのつゆをお好みで味付けしてお召し上がりください。郵便局のカタログ「うまいもの発」でもご注文いただけます」出雲大社近くに店を構える横庄かまぼこ店女将中島厚美さん「当店一番のおすすめは地もののトビウオを使ったあご野焼きです。郵便局長さんは、地域の子どもたちの世話役として頑張っていただいています」04

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