ZENTOKU 2019年春号
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人たちと繋がり、地域の人たちが求めているものを知ることができると考えたからです。郵便局も「まちづくり協議会」に参画していますが、郵便局の強みを生かし、ぶどうのふるさと小包ゆうパックを企画するほか、「深見小文化祭&深見秋祭り」の際に開催される「フォトコンテスト」のイベントフレーム切手の製作などに取り組んでいます。ぶどうのふるさと小包は、「百笑一喜」という企業組合が育てるぶどうを全国にお届けしています。元気な地域をつくるには他地域との交流が大切 毎年十月末頃に開催される「深見小文化祭&深見秋祭り」は深見地区住民総参加の一大イベントです。「深見小学校」と「まちづくり協議会」の共同開催で、毎年、大分県が誇る全国屈指の強豪・日本文理大学のチアリーディングチームが演技披露に来てくれます。謝礼は、深見自慢のお米と、最近注目されているジビエ(猪肉や鹿)を使った料理。元気いっぱいに演技していただいた後は、交流会でお腹いっぱい食べていただきます。若者との継続的な交流が、ご年配の方々を元気にし、子どもたちも大いに刺激を受けているようです。人を呼び込むPRを担いたい 「まちづくり協議会」の一員で、深見地区にIターンで移住し「古民家カフェ・深見堂」を開いた方がいます。ランチに地元の野菜とジビエを使った料理を提供されています。福岡の激戦区のレストランで勤務されていただけあって、洗練された味で、足を運ぶ価値があります。これからも郵便局のネットワークを生かして深見地区の魅力を発信していただき、地域を盛り上げていきたいと思っています。深見地区の美味いもの 深見郵便局のある宇佐市安心院町深見地区は、平成十七年の大合併で宇佐市となるまで、安あ心じ院む町でした。宇佐市には、八幡総本宮として知られる宇佐神宮があり、多くの観光客も訪れますが、安心院まで足を延ばす方はなかなかいないのが現実です。車でお越しの方は、由布市由布院からは車で二〇分ですので、由布院からの方が便利かもしれません。 安心院町は霧深い盆地。すっぽんとぶどうが名産品で、日本屈指のワイナリーがあります。初秋の「安心院フェア葡ワイン萄酒まつり」には多くの観光客が訪れます。日本初の食をテーマに書かれたベストセラー『美び味み求きゅう真しん』には、著者木下謙次郎が大分出身でもあり、安心院のすっぽんが取り上げられていますが、この深見地区は、宇佐市の中でも美味しいお米が取れることで有名です。深見郵便局の周囲の環境は 深見地区は安心院町の中心街よりやや高地にあるため、車を持たない高齢者にとっては厳しい環境です。JAが撤退し、商店が次々に閉店し、最後に残った一軒も間もなく閉店が決まっています。 郵便局でも買物支援などのお手伝いができないか、考えています。例えば支所業務に、市指定ごみ袋の販売がありますが、郵便局でできれば便利だと思いますし、局内での野菜の無人販売も喜ばれると思います。深見地区の地方創生と郵便局 深見地区では私が局長に就任する前から、「まちづくり協議会」の活動が盛んです。私は局長就任を機に、深見に移住しました。その土地に定住することで、地域のJAの支所が撤退した後の建物にある「企業組合・百笑一喜」。ぶどうとワイン作りを営む。廃校を活用した地域交流ステーションで活動する、「まちづくり協議会」事務局・清永五郎さん。「人と人の交流が大切だと考え、積極的な活動を心がけています。大分大学と連携し、子どもたちの教育にも力を入れています。全国にネットワークを持つ郵便局に、特に物品販売・情報発信の面で大いに期待しています」。深見地区が気に入り、空き家となった古民家で「カフェ・深見堂」を経営する倉住紀子さん。「地域おこし協力隊を終え、定住を決め起業したため(2018年9月開店)、野田総務大臣(当時)にもご訪問いただきました。地場産の食材を多く取り入れたお菓子や料理を提供していきます」。カフェメニュー猪肉を使ったシチュー。臭みがなく、脂身もさっぱりと食べられる。仙の岩を過ぎ、深見郵便局へ通じる旧道から由布岳を望む。07

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