ZENTOKU 2020年冬号
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る高齢者運転による自動車事故も増えているため、高齢農家の出荷や配達の代替として、郵便局の集配ネットワークを有効活用し、農業や特産品の持続性の確保へと繋げていくことを目的としました。 協力農家は、中山間地域の十四農家で、対象品目は椎茸、里芋、大根などの農産物です。集出荷管理システムの流れは、農家はタブレット端末により出荷する農作物や数量等を入力し、郵便局に集荷とバーコードラベル作成(値段等)を依頼。郵便局は前日の集荷依頼をもとに、三台の郵便集配車で、午前七時から依頼のあった農家へ集荷に向かい、集荷した農作物をJAおおいがわファーマーズマーケット「まんさいかん」に出荷・納入することを請け負います。実証実験スタート! 市役所と郵便局の協力関係は強固な絆があり、スムースに運びましたが、JA大井川農協との折衝には、ご理解いただくのに時間を要しました。また、農家に協力を依頼する段階では、説明不足もあり、なかなかご快諾いただけず、JAの方と地元郵便局長が農家に声をかけ、説明に回りようやく十四軒が協力してくれることになりました。 実証実験が開始されてからは、藤枝郵便局の集配ラインが通常どおり稼働してくれることを願っていました。無事、成功裡に終了した今、全国に何らかの形でこの藤枝市方式が浸透していく日が来ることを願っています。繋がり重視の象徴、伝統ある「土曜会」 藤枝市には藤枝市長を会長とした「土曜会」という会合があります。会員は市内官公署の長、大学・高校学校長・県議会議員で構成され、年に一、二回情報交換会が行われます。始まった頃は土曜日が半日仕事で午後からの時間に情報交換に集まったことから、この名が付きました。郵便局も当初の郵政省時代から部会長と藤枝局長が参加しており、市内各所と友好関係を継続できている一つの要因になっています。  現在、藤枝市は健康・教育・環境・危機管理・ICTの活用に積極的に取り組んでおり、総務省の掲げる郵便局活性化事業にいち早く参加希望を表明しました。 全国三ヶ所で行われているこの施策の総務省モデル都市となり、今後の高齢社会における市内農家の農作物の出荷を支援するため、郵便の集配ネットワークとICTを活用した新しい仕組みづくりの実証実験の実施が決定しました。 二〇一九年二月藤枝市との事務レベルでの打ち合わせがスタートし、実証実験の実施期間 は十月七日から十二月末までです。藤枝市と共同推進する新しい仕組みづくりへの方策〜郵便局の集配ネットワークを有効活用 高齢化が進む中、中山間地域における主要産業である農業が衰退傾向にあり、農家も減少しつつあります。社会問題化してい検証実験初日ドキュメント10月7日 検証実験初日 AM6:15農家さんに向けて出発前朝礼・激励風景とテレビ局の取材風景農家さんに集荷の郵便車の到着を待つ報道各社の風景到着した郵便車に農作物を(こちらは椎茸です)積み込む風景を撮影する報道各社陳列棚に並べられた農作物店舗の開店を待つ風景(椎茸類の陳列コーナー)「まんさいかん」店舗内へ搬入、引き渡し風景を取材中の報道各社風景検証実験協力品の表示赤いシール●と○合表示例11

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