ZENTOKU 2020年冬号
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14岡山県は温暖な気候と地形等で、災害襲われにくい「安心県」と言われてきました。その「安心県」の東南部に位置する岡山長岡郵便局の局長として二〇〇五年に就任、翌年に防災士資格を取得しました。当初は自分で考える活動はできておらず、防災講習会のスタッフで活動する程度でした。その私が自ら活動し始めたのは、約八年前に地域の町内会での活動を始めた頃でした。「地域に恩返し、有事に顔がわかる取組み」を地域に認知してもらい、防災意識を広めるため、イベントや夜警の企画で地域の方々がふれあう機会には、地域を見守る活動を実施しました。学区主催の防災活動に参加し、町内のメンバーに伝えていくことも大切にして、継続しながら、「何か人の集まるところで身近に防災を感じてもらえる企画はないか」と実現を目指していました。実現できたきっかけは実際に「災害」に見舞われた時でした。二〇一八年七月の「西日本豪雨災害」では同じ地区会内の二局が浸水安心県といわれた岡山を襲った災害の教訓平常時の取組みが減災に繋がる地域の安全を守るために頼りになります!防災士局長岡山県703-8221岡おか山やま長なが岡おか郵便局長三み宅やけ 慶よし征まさ被害に遭いました。また、地域でも河川が非常に危険な状況となり、避難所も当面の場所からさらに安全な場所に変更されるような災害規模で、安心県岡山の安全神話が崩れました。災害の記憶が鮮明に残っているうちに、と考え、約千人が集う地域の秋祭りに緊急で「岡山市の防災出前講習」を組み入れました。この企画「みんなで考えよう!身近な防災」は、岡山市危機管理室による講演やパネル展示、防災マニュアルやハザードマップの配布、非常食の試食、ダンボールトイレやベッドの作成体験等、祭りを楽しみながら皆さんに「防災を意識することの大切さ」を感じていただけたのではないかと思います。二〇一九年九月の祭りでも「身近な防災②」を実施し、地元消防署より講演、心肺蘇生や簡単な担架作り等も地域の子どもたち等に体験していただきました。防災士に期待される役割として、まず自らを守るために自宅の家具固定・備蓄などを進め、その上で周りの人たちに防災に対する認識を広めていくことが挙げられますが、私は地域イベントとのコラボでより安心できる地域に貢献できる活動を繰り返して行っていきたいと考えています。平常時は、郵便局のロビーに防災マニュアルを置き、ご来店されたお客様にお声をかけて、防災に対する意識を地域の方々とともに高めています。災害の記憶が薄れないうちにと、秋祭りに組み込んだ「岡山市の防災出前講習」。ダンボールトイレやベッドの作成体験や心肺蘇生体験は、家族ぐるみで賑わった。構えずに、身近に防災を感じてもらうイベントを実施常時、郵便局に設置している「防災マニュアル」。平常時から、防災意識を喚起し続ける。

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