ZENTOKU 2020年特別号
10/16

(一社)通信研究会理事 島﨑忠宏氏 現在、会社の置かれている現状と課題を押さえておくことが必要だ。郵便局に期待される役割と利便性向上策としては、住居生活・まちづくりのサポート、児童・高齢者の見守り。行政サービスの補完では自治体の窓口業務の委託が中心になり、これらを拡充していくことが求められる。 東海地方郵便局長会(遠藤一朗会長)は、山﨑雅明日本郵便(株)東海支社長ほか郵政グループ幹部らの出席のもと、地方創生フォーラムを開催した。第一部のパネルディスカッションでは、古川雅典多治見市長、河野一行藤枝市副市長、永田純夫清須市長、辻村修一玉城町長らがパネラーとして登壇。第二部では、第一部の司会を務めた(一社)通信研究会理事島﨑忠宏氏が「人口減少時代を迎え郵便局長が果たすべき役割と課題」と題した特別講演を行った。基調講演地方創生における郵便局の利活用岐阜県多治見市長 古川雅典氏 全国の郵便局ネットワークを生かし、KITTEやJPタワー、また、郵便局内に自治体のPR場所を提供いただきたい。自治体と協力して住みやすいまちづくりを東海地方郵便局長会・地方創生フォーラム二〇一九年十一月十九日:キャッスルプラザ 近畿地方郵便局長会(吉城和秀会長)は、地方創生フォーラムを開催した。講師に野村総合研究所顧問(元総務省総務事務次官)の佐藤文俊氏、清元秀泰姫路市長、岡田一樹藤井寺市長を迎え基調講演を実施。その後、荒若仁日本郵便(株)近畿支社長も加わり「地域における郵便局の役割と期待等」をテーマにパネルディスカッションが行われた。 基調講演基調講演地方創生の課題野村総合研究所顧問(元総務省総務事務次官) 佐藤文俊氏 UIJターンによる起業・就業者創出のために全国規模のマッチングを支援するとともに、東京圏から地方への移住者の経済負担を軽減する等の「わくわく地方生活実現政策パッケージ」を閣議決定するなど国地公体と一体で郵便局も尽力近畿地方郵便局長会・地方創生フォーラム二〇一九年十二月十七日:ホテルニューオータニ大阪も本気で取り組んでいる。第2期の総合戦略にも注視したい。LIFE〜人を大切にする市政〜 兵庫県姫路市長 清元秀泰氏 子育て支援では、幼児教育・保育の無償化。給食費も二人目から減額、三人目から無償。三人目からは地域で育てるとの方針で奨学金制度を充実。郵便局への期待は三つ。高齢者の変化通報、老朽危険空き家の所有者特定に繋がる情報提供の協力、地域の見守りである。新たなまちづくりへの挑戦 大阪府藤井寺市長 岡田一樹氏 市の政策を「伝える」から「伝わる」に変えるまちづくりを推進中。郵便局とも「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産登録されたことを契機として連携。また、郵便局やポストを活用した周遊の仕組みをつくりたい。パネルディスカッション富山県魚津市長 村椿晃氏  富山県では、東部の滑川市、魚津市、黒部市、入善町、朝日町の三市二町と三十一郵便局で、全国初となる広域包括連携協定を締結。物産展の開催やフレーム切手の発行などによる観光振興、婚活支援、未来を担う子どもたちの育成などで郵便局と協力している。静岡県藤枝市副市長 河野一行氏 総務省の郵便局活性化推進事業としてICTと郵便局ネットワークを活用した農作物配送支援の実証事業をスタートさせた。市街地以外にもある郵便局には、もっとまちづくりに関わってもらいたい。愛知県清須市長 永田純夫氏 窓口業務の委託については、現在、検討しているところ。予算化前に、みまもりサービスの結果・効果を提供いただきたい。三重県玉城町長 辻村修一氏 認知症などの地域課題や、農村景観をどのように守るのか、住み良さのバランスをどう維持していくか。具体的に郵便局と一緒にまちづくりに取り組んでいきたい。石川県加賀市市民生活部長 荒谷啓一氏 人口減少や少子高齢化を食い止める対策として、子育てと教育への予算を充実させている。郵便局とは二〇一八年一月に包括連携協定を締結、二〇一九年十月からは橋立出張所廃止に伴い、橋立郵便局に行政事務業務を包括委託した。今後も郵便局の知恵を拝借したい。福井県永平寺町長 河合永充氏 現在全国に先駆け、郵便局と永平寺町、トヨタの連携による「近所タクシー」が二〇一九年十一月一日から試走運行を開始した。5GやAI、IoTなどの先端技術を活用した新たな移動手段として注目されている。今後も郵便局と連携を取りながらやっていきたい。〈写真提供:多治見市〉10

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る