ZENTOKU 2020年特別号
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泰阜村は在宅福祉を基本に置く 泰阜村は、昭和の後半から若者が都会に流出するなか、残された高齢者の方が最期を迎えられるまで、行政が在宅で見守ることを基本とし、施策を行ってきた村です。 介護保険が施行された平成十二(二〇〇〇)年も介護利用料の軽減など、全国に先駆けて実施し、注目を浴びました。現在の人口は地方創生のキーの一つと言われる郵便局の存在。地方自治体と協力し、様々な形で取り組んでいる。ここでは、地方自治体の包括事務をスタートさせた長野県泰阜村と石川県加賀市のケースを報告する。郵便局の地方創生│行政事務の包括受託 399︱1801温ぬく田だ郵便局長丹に羽わ 亮あき浩ひろ一六三二名と、過疎の村ではあるものの、若い世代の割合が比較的高く「消滅可能性」自治体ではありません。 それだけに、住民サービスの質を落とすことは、どうしても避けたいというのが泰阜村の方針です。行政事務を包括受託して 二〇一九年七月二十九日、温田郵便局は、全国で初めて行政事務を包括受託しました。 地域の皆様のアクセス面等の利便性を落とすことなく、経費の効率使用(支所閉鎖)を考えていた泰阜村役場と、郵便局が推進する地方創生との方向性が合致したことから、日本郵便株式会社では本社をはじめ、支社、地域の郵便局が一体となって協議を重ね、法律に基づいた条件のもと、実現に至ったものです。 役場の窓口業務のうち、まだ住民異動届や印鑑登録など、郵便局ではできない業務もいくつか残っていますが、今後、マイナンバーの普及やICTの進展で、可能となってくるかもしれません。 温田郵便局は全国初の実施局となり、全員が緊張感を持って新しい業務に臨んでおり、郵便局が地域の皆様への行政サービスの維持に一役買えることを誇りに思い、この業務が地域の活性化に繋がることを願っています。全国初! 包括事務の受託への第一歩 長野県泰やす阜おか村むらセレモニーで横前泰阜村長(左)と栁澤日本郵便信越支社長が、看板を掲げた。郵便取扱窓口と並んで設置された、行政事務取扱窓口。当初から村役場の職員が出張という形で手続きを行っている。1温田郵便局泰阜村役場泰阜村野沢温泉村野沢温泉村野沢温泉村長野県04

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