ZENTOKU 2020年特別号
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事務の取扱いができれば、この問題を少しでも解決できることから、行政事務の受託へ結びついたのです。行政事務を受託して 二〇一八年度の橋立出張所における業務の取扱い件数は、一六〇八件でした。こういった業務を受け継いだ先端技術を取り入れた郵便局「MaaS」が始動郵便局が行政や企業と協働し、地域交通を確立 現在、全国28の自治体で電車やバスなど様々な移動手段、モノの移動をITで統合する次世代移動サービス「MマースaaS」*の実証実験が行われている。 「MaaS」は、高齢ドライバーによる自動車事故などの社会問題や、地域の過疎化から生じる「交通弱者」の課題に対し、ITを活用した自動運転等で、「地域の足」として注目されている。 福井県永平寺町(河合永充町長)では、永平寺の参拝ルートにある「参(まい)ろーど」で、国の実証実験が行われている。実証を踏まえた地域住民の声を反映させた「郵託しましたが、これは加賀市役所橋立出張所の廃止に伴うものです。橋立出張所は、橋立郵便局から100 mのところにありました。廃止されると、住民の方々は、市役所までバスや車を使って手続きに行かなければならず、加賀市としては「住民の方々へサービスをできるだけ維持したい」と考えていました。郵便局で行政福井県永平寺町910︱1399山さん王のう郵便局長鈴すず木き 清きよ永なが永平寺町長河かわ合い 永ひさ充みつさん郵便局では、書式の種類の多さには戸惑うところもありましたが、住民の方々には、郵便局で手続きができると、好評をいただいております。しかし、法律により郵便局では取扱いできない業務がいくつかあり、その部分をクリアしてこそ、本当の住民サービスに繋がるため、引き続き取り組んでいきます。便局「MaaS」の実現」に向け、山王郵便局(鈴木清永局長)など町内の郵便局が、自治体や地元企業と連携し、検討を重ねている。 関係者らが検討している郵便局「MaaS」は、郵便局から総合病院までの自動運転による定期便を運行。高齢者送迎と同時に、病院に届ける物品(クリーニング品や薬、弁当等)を搭載し、運搬するというもの。地元住民、企業へのサービス向上にさらなる期待が寄せられている。次世代移動サービス「MaaS」実証の小型電動カートによる実証実験システム。加速・操舵・制動をすべてシステムが行ったが、緊急時に対応するドライバーも乗車した。* MaaSとは、Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス:サービスとしての移動)を省略したもの。ICT(情報通信技術)を活用し、バスや電車、タクシー、飛行機など、自家用車以外のすべての交通手段による移動を、ひとつのサービスで完結させることを指す。07

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