ZENTOKU 2021年春号
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14 私は二〇一四年度から福岡県那珂川市の成竹区自主防災会副会長に就任し、これまで地域の防災・減災活動を精力的に行ってきましたが、二〇二〇年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、感染症対策も併せて実施する必要があるため、手指の消毒のほか、マスクやフェイスシールドの装着、間仕切り等の設置に加え、ソーシャルディスタンスを保ちながら活動せざるをえず、大変苦労しました。大雨と台風対策 昨年七月四日、熊本県南部地域を襲った豪雨は甚大な被害をもたらし、その後、福岡県にも大雨が降り続き、県内各地で災害が発生しました。七月六日、私は大雨の予報が出ていたため、朝七時半に公民館に自主避難所を設置しました。そして、昼過ぎに大雨警報が発令されたため、市は災害警戒本部を設置、夕方六時過ぎに避難準備・高齢者等避難開始が発令されたのです。私は夜、地区内をパトロールし、その後公民館にて終日待機を続けました。翌日、地区命を守る 〜コロナ禍の防災士活動〜地域の安全を守るために頼りになります!防災士局長福岡県811-1231南みなみ畑はた郵便局長 天あま野の 時とき生おの自主防災会においても災害対策本部が設置されたため、まず避難要支援者世帯を訪問し、避難者二人を避難所へ誘導し、この日も公民館にて終日待機しました。この活動は十四日までの九日間、大雨警報、洪水警報、土砂災害警戒情報等が発令、解除を繰り返す中、公民館に寝泊まりしながら続きました。 また、九月四日、台風10号が特別警報級の危険な台風となるとの予報があり、私は地区内の住民の方々に早期避難と警戒要請を記した防災情報を配布し、まず命を守る行動をとるよう要請しました。翌日の午前十一時に自主避難所を開設、六日朝には再度、住民の方々に避難を要請しました。夕方四時過ぎ、市内に暴風警報、五時過ぎに避難準備・高齢者等避難開始、六時四〇分には避難勧告が発令されました。公民館には六人、小学校に六人の方が避難され、私は避難者の誘導や避難所運営を行いました。幸いにも夜中に暴風が吹き荒れたものの大きな被害はありませんでした。避難所では、マスクや災害対策本部を設置。(2020年9月台風対策(上)・2020年7月豪雨対策(下))フェイスシールドを装着し、受付で体温計測、手指消毒、室内ではソーシャルディスタンスの確保と換気を行い、ダンボールで作った間仕切りとベッドで感染症対策を行う等、経験したことのない新たな災害対応となりました。地区防災計画の策定 コロナ禍の中、感染症対策を含めた成竹地区の防災計画を策定し、十月、地区内全世帯に配布することができました。地区防災計画とは具体的にわかりやすく、一人ひとりの視点に立ち、みんなで作る防災・減災への取組みであり、ここ数年、住民の皆さんと話し合いながらこの計画の作成を進めてきたものです。地区内の危険個所や避難道路の確認、小こ組ぐみ合あいや*自主防災会の役割と連携等をシンプルにまとめています。まさに地区に居住する住民の住民による住民のための防災計画であり、人の顔が見える実践的な計画となっています。今後も改善を重ねながら防災士として住民の方々一人ひとりの「命を守る」ために取組みを続けます。住民の方々、一人ひとりの視点に立った「地区防災計画」を策定。これで完成ではなく、今後も改善を重ね、より安心・安全な地域を目指す。*町内会の中のさらに小さいグループ単位、班を言う。

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