ZENTOKU 2021年春号
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15 福井県永平寺町は、二〇二一年二月一日から十四日まで(平日のみの九日間)、近助タクシー(予約制乗り合いのデマンドタクシー)を活用したゆうパック配達を「貨客混載」で行うことが可能か、実証実験をスタートさせた。 永平寺町では、過疎化が進む志比北・鳴鹿山鹿地区において、交通空白地の課題解決策として二〇一九年十一月から、近助タクシーの運行を開始した。近助タクシーを利用するには利用者登録を行った後、電話連絡をして予約するという仕組みになっている。試行運行の際は、浄法寺郵便局(吉川泰正局長)が予約受付を担当した。二〇二〇年十月からはタクシーの乗車が有料となる本格運行へと移行している。 今回の「貨客混載」実証実験では、時間指定のないゆうパックを、出発地の志比郵便局で積み込んだ後、乗客の送迎を実施し、空き時間に荷物を配達している。 「貨客混載」実証実験開始に先立って行われた出発式で、河合永充町長は「郵便局のゆうパックを配達する『貨客混載』の実証実験をスタートさせるが、貨客混全国初の試み令和3年全特トピックスゆうパック配達を行う近助タクシードライバー。永平寺町で近助タクシーを活用したゆうパック配達実証実験始まる載の実証のほかに、志比北地区が浄法寺郵便局を拠点とし、二〇一九年十一月から翌年十月までモビリティサービスが地域の活性化にどう貢献できるかを検証してきた。郵便局が持っている地域ネットワークと、まちづくりにIOT事業を取り入れるなど、スピード感を持って取り組んでいる行政が連携することで、住民に安全と安心を提供し、地域の活性化、経済の活性化に繋げていきたいと考えている。全国のモデルとなるよう実りある実証実験としていきたい」とあいさつ。 近藤義明志比郵便局長は、「変わりゆく社会の中で郵便局が地域発展の核となれるよう、いろいろなことにチャレンジしていきたい」と抱負を述べた。目的地(病院・福祉施設・スーパー等)への利用者の輸送デマンドタクシー●優先順位②【荷物配達業務】・授受した荷物の配達志比北・鳴鹿山鹿地区へのゆうパックの配達※乗客乗車中は荷物配達は行わない。(個人情報保護の観点から荷物は乗客から送り状等の個人情報が見えないように積載するとともに、配達は行わない)近助タクシーを活用したゆうパック配達実証実験志比郵便局永平寺町内●優先順位①【タクシー業務】・予約があった利用者を送迎・志比北小学校、永平寺中学校生徒の登下校●出発前(9時ころ)・ミーティング(配達指示、引継ぎ等)・荷物授受・携帯端末機の授受●帰局後(12時ころ)・配達証、不在持戻り及び配達できなかった荷物の返納・携帯端末機の返納・お客様からの申告等があれば報告

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