ZENTOKU 2021年秋号
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地域貢献・地方創生〒299ー5245千葉県 興おき津つ郵便局長西にし川かわ 岳たけ宏ひろ1「海」と「緑」と「人」がともに歩むまち「元気いっぱい 勝浦」 私の勤めている興津郵便局(関東地方郵便局長会千葉県東南地区会夷い隅すみ南部会)は、千葉県の房総半島西部沿岸地域に位置する勝浦市にあります。 勝浦市は1958年に千葉県で18番目の市として誕生し、古くから漁業が盛んで、カツオ、イセエビの水揚げ量は、全国トップクラスを誇ります。太平洋に面した地域は、黒潮の影響を受け、冬は暖かく、夏は涼しい海洋性気候であり、ヒートアイランドの影響がないため熱帯夜に悩まされることもなく、環境省の「快水浴場百選」に選定された守谷海水浴場を有するなど、避暑には格好の地域です。また、1月の平均気温が6・8℃と暖かく、冬の時期の避寒地としても人気があります。興津郵便局の周辺環境 私の勤めている郵便局がある興津地区は、江戸時代は幕府の直轄領として、妙覚寺に仙台藩取締り所が置かれていたこともあり、江戸と東北を結ぶ重要港として繁栄しました。かつては興津町として独立した自治体でした。そのため、商店街や病院などの機能がJR上かず総さ興おき津つ駅周辺にまとまっており、コンパクトな街並みを形成しています。コロナ禍でも可能な取組みを提案、実現へ 勝浦市の現在の人口は約1万6000人、高齢化率は37・8%と全国平均より11・1ポイント高く、少子高齢化の進行とともに空き500年以上の歴史を誇る妙覚寺毎夏たくさんの人で賑わう興津海水浴場。コロナ禍のため2年連続で海開きが行われなかった。*スポットツアー九州とは、スポットツアー株式会社が開発したデジタル観光ツアーアプリ「Spot Tour(スポットツアー)」を活用して行う観光情報発信サービス。アプリのダウンロードは無料で、通信費のみ利用者負担。 地域に根差した郵便局が持っている特産品店などの情報を、スポットツアーのルートとして提供することで、観光客の誘致をはじめとして、地域の活性化に寄与することを目指す。スポットツアー体験会の会議風景家が多くなっています。勝浦市内には、古くは地域ごとに商店街がありましたが、今では市中心部の勝浦商店街と興津商店街の2つの街並みを残すだけとなっています。 新しい世帯の転入が進まず、勝浦市での生活に不便を感じる世代の転出も増え、高齢者さえも減少する未来が見え始めました。 現在、勝浦市では、移住の取組みに力を入れていますが、思ったような成果が得られていないのが現状です。観光をきっかけに交流人口を増加させ、移住に結びつけたいとの思いを観光協会、行政部署から相談を受けました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、これまで懸命に活動していたご高齢のボランティアの方々が今後の活動を諦めてしまう姿を見て、郵便局長として何ができるか考えました。 そんな時、社内情報誌で目にしたのが「スポットツアー九州*」の取組み。このシステムが当地域にも活用できるのではないかと考え、日本郵便株式会社の本社と関東支社に支援を要請することからスタートし、その思いが通じ会社から支援を受けることができ、まず情報を蓄積することから始めました。10千葉県勝浦市これまでも、これからも、地域とともに頑張る地域の力になりたい観光アプリで千葉県東南地区の魅力を発信!茂原市いすみ市御宿町大多喜町

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