ZENTOKU 2022年夏号
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   |   |  |7 近い将来に向けた四つの取組み至っていませんが、郵便局には回収の仕組みをつくっていただきました。市のニーズ・要請にも応えていただいているので非常に助かっています。復興の先に、どんな市政を描いていますか?福島市は「原発事故が影響したまち」という一種の風評めいたイメージを乗り越え、全国、さらに世界の皆さんからご支援をいただいて復興を進めてきました。今後はその復興をさらに加速させ、市民の皆さんがずっと住み続けたいと思える、また、他所からも住んでみたいと思われるまちをつくることが一番の恩返しになると思っています。私たち福島市民の目標は、復興を通じて「世界にエールを送るまち」になることです。東日本大震災後も2019年の台風19号災害のほか、この2年続けての地震災害、2021年の凍と霜害、そして新型コロナとダメージが続いています。それでも決してへこたれず、あらゆるダメージも成長の糧・バネにして復興・創生を進めたいと思います。そのためには安全安心なまちづくり、子育てと教育の充実、仕事づくり、賑わいと文化という四つの取組みが重要です。そのうえで、これからの福島市の復興政策を進め、人口減少の流れを変えていきたいと考えています。一例として、今年3月の福島県沖地震では半壊以上の建物について国の公費等で解体していただくことにしています。つらいですが、ダメージを受けたままにせず、壊すべきものは壊して、再興していく。私自身としてはマイナスにマイナスを掛ければプラスになる、転んでもタダでは起きないという精神で、まちづくりを進めています。取組みの、より具体的な内容を教えてください。たとえば、2019年の台風19号災害では、その後さまざまな気象情報などを集め、それらをベースに避難情報をいっせいに発信できる災害対策オペレーションシステムを市独自に作りました。そのほか全国的に話題になったペット同伴避うそうがい難所など、いろいろな面でチャレンジしています。は賑わいです。中心市街地、特に駅前はその都市の顔、玄関です。そこで今後は駅前を中心に交流・集客拠点施設を設け、多くの方に集まっていただく。集まっていただけたら、若い方々がまちを使い、人が動き出す。すると、お店も戻り、さらに人も戻ってくるという好循環が生まれます。るのでしょうか?気持ちは強く持っています。長崎や広島も、原爆という惨事から逃げずに正面から受けとめ、それを踏まえてまちづくりを進めたからこそ、世界の皆さんに感動を与えたり注目を集めることができます。我々も大震災をまず真正面から受けとめ、その経験を踏まえてより充実した防災対策を推進する。も評価をいただけるまちになると思っています。特に若い人に定着していただくために大事なのそのようなアイデアの源泉はどこからきてい私は長崎県でも勤務経験があり、復興に対するこれが実現できれば、日本、世界の皆さんからJR福島駅西口の大庇駅前の大型マルチビジョンは市民の交流の場に福島県飯舘村出身。東京大学経済学部を卒業後、自治省に入省。長崎県、香川県、岡山県など自治体の要職等を経て、2016年7月に復興庁福島復興局長に就任。2017年11月に福島市長に初当選。2021年11月に再選され2期目に。

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