ユニークな郵便局大集合

日本全国の変わった郵便局、面白い取り組みを行っている郵便局をご紹介します。

おもちゃのまち郵便局(栃木県)

おもちゃ工場とともに歩んできた50年の歴史

栃木県の県央南部を走る、東武宇都宮線。新栃木駅と東武宇都宮駅を結ぶ運行区間のほぼ中間となる「おもちゃのまち駅」に構えるのが、おもちゃのまち郵便局です。

町の名前の由来は、今からおよそ50年前、東京の玩具メーカーや関連企業の工場がこの地に移転してきたことから。第二次世界大戦中に飛行場として使われた跡地に、生産拠点を設けるために名付けられました。現在ではおもちゃにとどまらず、さまざまな企業が集まる一大工業団地となっています。

1962年に開局した当初は、国谷郵便局と呼ばれていましたが、1977年の町名変更をきっかけに現在の名前となりました。2012年には開局50周年を迎え、記念に制作・配布したブリキ製のポスト型貯金箱はお客様にとても喜ばれました。

広いスペースを活かした展示

おもちゃのまち郵便局では、広いスペースを活かして壁に記念切手の見本を掲示しているのが特徴です。地方限定、シリーズもの、シール式切手など種類別に並べることで、手に取りやすいように工夫しています。そのため、お客様からの評判も上々。売れ筋商品の1つです。壁には切手だけでなく、地域の方々の絵手紙や絵画、切り絵の作品も飾っていて、手続きを待つ人の目を楽しませています。

また、おもちゃのまち郵便局にはオリジナルの風景印や通帳用のスタンプがあり、それら目当てのお客様も多くいらっしゃいます。「おもちゃのまち」をイメージした風景印は、工場と機関車を背景に、くまのぬいぐるみやおもちゃのスポーツカー、積木が並ぶ絵柄がかわいらしく、クリスマスシーズンには特に受付数が増えます。一方、通帳用スタンプにはブリキのおもちゃがあしらわれています。つくりが若干大きめで通帳2行分の高さを使うため、中には追加で預入してスペースを合わせて下さるお客様も。それでも旅行貯金をされる方を中心に喜ばれています。

“おもちゃのまち”ならではの地域イベントにも参加

地域イベントにも積極的に参加する、おもちゃのまち郵便局。毎年12月の第2土曜日・日曜日に開催される「おもちゃ団地チャリティーバザール」は、おもちゃのまちにある工場や関連企業が扱うおもちゃを市場価格より手頃な価格で販売する、クリスマス前に人気のイベントです。約40年続くこのイベントには関東だけでなく全国からも来場者が訪れ、2日間で約6万人の人出でにぎわいます。おもちゃのまち郵便局も、準備や運営に協力し、ブースも出店しています。年賀はがきや記念切手の販売のほか、購入後のおもちゃのゆうパックによる配送も受け付けており、イベントにはなくてはならない存在です。

おもちゃのまちには、郵便局から徒歩圏内に「おもちゃのまちバンダイミュージアム」があります。アンティークから人気ヒーローやアニメのおもちゃまで、約30,000点のコレクションの中から選りすぐりのおもちゃを見ることができます。また車で足をのばせば、「壬生町おもちゃ博物館」が。こちらでは、自分だけのリカちゃん人形をつくれるほか、壊れたおもちゃを直してくれる「おもちゃ病院」も備えています。

童心に返れる「おもちゃのまち」に訪れた際には、旧友へ手紙や贈り物を届けてみては。
きっと相手も、遊びに明け暮れた“あの頃”を思い出すことでしょう。